
白山ユネスコエコパーク
白山ユネスコエコパークは、1976年からユネスコが実施しているユネスコ「人間と生物圏(Man and Biosphere Reserves :MAB)計画の一事業です。白山ユネスコエコパークは、1980年にユネスコ「生物圏保護区(ユネスコエコパーク)」として登録されました。石川県、福井県、岐阜県、および富山県にまたがるこのエリアは、日本を代表する貴重な自然環境と文化的価値を持つ地域の一つです。白山(標高2,702m)を中心とした山岳生態系には、豊かな森林、清流、湿地が広がり、多様な動植物が生息しています。特に、ブナ林や高山植物、ニホンカモシカなどの生物多様性が特徴的です。日本で最初のユネスコエコパークの一つで、登録当時は「核心地域」と「緩衝地域」という二種類のゾーンに分けられていました。2016年に、さらに「移行地域」というゾーンを新設してユネスコに拡張登録を行い、承認されました。
ユネスコエコパークの理念に基づき、白山地域では「保全(自然保護)」「持続可能な利用(地域振興)」「学術研究・教育」のバランスを取りながら、環境保全と地域社会の共生が進められています。地域住民の伝統的な暮らしや信仰と深く結びついた自然環境の保全を目指し、持続可能な観光や環境教育の取り組みも積極的に行われています。
(参考:https://hakusan-br.jp/wp/pdf/position.pdf)

白山手取川ユネスコ世界ジオパーク
白山手取川ユネスコ世界ジオパークは、2023年にユネスコ世界ジオパークに認定され、石川県白山市全域を含むジオパークです。白山火山の活動と手取川の浸食作用により形成された多様な地質遺産が特徴で、約30万年にわたる地球の変遷を学ぶことができます。
ジオパーク内には、約1億3,000万年前の地層「手取層群」をはじめ、日本の地質学・古生物学の発祥地とされる「桑島化石壁」、手取川の侵食によって形成された「手取峡谷」、巨大な岩塊が土石流の威力を物語る「百万貫の岩」など、多くの貴重な地質スポットが点在しています。
このジオパークでは、地質遺産の保全とともに、地域の歴史・文化・産業とのつながりを活かした教育・観光活動が推進されています。地質と人々の暮らしの関係を学ぶ機会を提供することで、持続可能な地域づくりと環境意識の向上を目指しています。特に、手取川の水資源の重要性や、白山信仰と地形の関係などが、ジオパークの学びの要素として重視されています。
白山ユネスコエコパークおよび白山手取川ユネスコ世界ジオパーク内の各エリアでは、白山の豊かな自然や地質遺産に親しむ体験学習、生態調査、保全活動、伝統文化の継承活動などが行われています。これらの取り組みは、持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development:ESD)の一環として、環境教育やジオツーリズムの促進に貢献しています。白山の生態系や地質の魅力を学び、地域資源を活かした持続可能な地域づくりを目指す活動が展開されています。
(参考:https://geopark.jp/geopark/hakusan/)
金沢大学ユネスコチェア「Intergenerational Learning for Sustainable Development(持続可能な開発のための世代間学習促進プログラム)」は、持続可能な開発目標(SDGs)を目指すことを基本的な姿勢として、学習活動の参加者に地域の生活や生業、祭礼といった文化体験と提供します。 また、これまでの活動は以下のとおりです。
- 白山ユネスコエコパークおよび白山手取川ユネスコ世界ジオパークをフィールドとして、国内外の参加者と地域住民の交流事業を実施。
- 過疎化や高齢化といった日本全国に共通する課題の中で集落を存続させるには、その地域の未来を担う人材の育成が不可欠な要素です。金沢大学ユネスコチェアは、上に述べたような人材育成をさらに充実・発展させながら、白山地域で行っている学習経験を国内外に広く発信し、相互の学び合いを推進することを目指しています。
- 金沢大学では、数年間にわたって白山地域を教育フィールドとして自然や文化多様性、SDGsを促進する研修コースを、フィールドワークの形で実施してきました。このコースには、金沢大学の学生だけでなく、25カ国以上の留学生も参加し、ともにユネスコエコパークやジオパークについて学び、キャンプや様々な体験活動に参加ながら、住民との交流、そして国際交流を通じてSDGsの理解を深めてきました。
- 現在は、オンライン研修コースの形式で国内・国際ユネスコエコパークとの交流を実施しており、ネットワークづくりとその拡大を継続しています。





